1on1面談メモをAIで整理するプロンプトテンプレート 要点・課題・次の打ち手まで一度に整える書き方
1on1のメモは、書いた直後は分かっていても、数日後に見返すと「結局何が課題だったのか」「次回までに誰が何をするのか」がぼやけがちです。そんなときは、雑多な面談メモをそのまま貼り付けて、論点・感情の変化・次の行動に分けて整理させるプロンプトを先に作っておくと、振り返りがかなり安定します。
このテンプレートは、管理職やチームリーダーが1on1後のメモを整えたい場面向けです。殴り書きのメモから、要約だけでなく、未確認事項や次回の確認ポイントまで出したいときに使えます。
- 使い道: 1on1面談メモの整理、共有前の下書き、次回面談の準備
- 向いている人: 管理職、マネージャー、チームリーダー、人事と連携する現場責任者
- ねらう出力: 要点、課題、本人の希望、上長の対応、次回確認事項を分けた構造化メモ
- 前提: 2026年4月時点で一般的なテキスト指示に対応する汎用LLMを想定。特定サービスの専用機能は前提にしません
ここがポイント: 1on1の整理では「要約してください」だけだと浅くなりやすいです。項目名、判断基準、出力形式、書いてほしくないことまで先に決めると、あとで使えるメモになりやすくなります。
このプロンプトで何が変わるのか
1on1後のメモ整理で困るのは、情報量が多いことではありません。困るのは、重要度の違う話題が同じ重さで並ぶことです。
たとえば、雑な要約だと次のような問題が起きます。
- 近況報告と本当の課題が混ざる
- 本人の感想と事実が区別されない
- 次回までの行動が曖昧なまま残る
- 面談で出ていない評価までAIが補ってしまう
そこで、今回のテンプレートでは出力を最初から分けます。特に大事なのは次の5項目です。
- 面談の要点
- 現在の課題
- 本人が求めている支援
- 上長が取るべき次の行動
- 次回1on1で確認する項目
この形にしておくと、単なる記録ではなく、次の面談につながる運用メモになります。
コピペ用プロンプトテンプレート
以下をそのまま使えます。{} と [] の部分だけ差し替えてください。
あなたは、管理職の1on1面談メモを整理する補助者です。
目的は、雑多な面談メモを、次回の行動につながる実務メモに整えることです。
# 前提
- 面談相手: {部下の役職・職種}
- 面談の目的: {近況確認 / 業務課題の確認 / キャリア相談 / 体調面の把握 / その他}
- 面談日: {YYYY-MM-DD}
- 出力言語: 日本語
- 出力形式: JSON
- 推測で評価を書かない
- メモにない事実を補わない
- 曖昧な点は「要確認」と明記する
# 整理ルール
次の項目に分けて整理してください。
1. summary: 面談全体の要点を3〜5行で要約
2. topics: 主な話題を箇条書き
3. current_issues: 現在の課題。事実ベースで整理
4. employee_intent: 本人の希望、不安、要望
5. manager_actions: 上長が次回までに取る行動
6. next_checkpoints: 次回1on1で確認する項目
7. missing_info: 判断に必要だが、このメモだけでは不足している情報
8. sensitive_note: 人事・評価に関わる可能性がある論点があれば短く明記
# 出力条件
- 各項目は簡潔に書く
- current_issues と employee_intent を混同しない
- manager_actions は実行可能な行動にする
- next_checkpoints は質問文または確認項目にする
- 面談記録として不適切な断定は避ける
# 出力例
{
"summary": ["..."],
"topics": ["..."],
"current_issues": ["..."],
"employee_intent": ["..."],
"manager_actions": ["..."],
"next_checkpoints": ["..."],
"missing_info": ["..."],
"sensitive_note": ["..."]
}
# 面談メモ
"""
{1on1の生メモをここに貼る}
"""
入力時に変える項目
このテンプレートは、そのままでも動きます。ただし、次の部分を入れると精度が上がります。
必ず入れたい項目
{部下の役職・職種}何の仕事をしている人かで、課題の意味が変わるためです。{面談の目的}雑談中心の1on1と、目標進捗確認の1on1では整理軸が違います。{1on1の生メモ}箇条書きでも断片でも構いません。話した順のままで大丈夫です。
あると安定しやすい項目
- 面談の頻度
- 直近の担当業務
- 前回からの継続課題
- 共有可否の線引き
たとえば「この出力は本人共有用ではなく、上長の内部メモ用」と書くだけでも、言い回しがかなり変わります。
出力形式は JSON が使いやすい
1on1メモの整理では、長文要約より項目固定のJSONが便利です。あとでNotion、スプレッドシート、社内フォームに移し替えやすいからです。
一方で、すぐ読みたいだけなら箇条書きでも十分です。切り替えたい場合は、出力形式: 箇条書き に変えて、以下のように指定してください。
出力形式は箇条書きに変更してください。
見出しは「要点」「課題」「本人の希望」「上長の対応」「次回確認」にしてください。
各見出しは3項目以内で簡潔にまとめてください。
NG例と改善例
NG例
1on1のメモを整理して。
これだと、何を残すべきかがAIに任されすぎます。要約だけ返ってきたり、余計な評価が混ざったりしやすくなります。
改善例
次の1on1面談メモを、要点、現在の課題、本人の希望、上長の次の行動、次回確認事項に分けて整理してください。
メモにない事実は補わず、曖昧な点は「要確認」と書いてください。
出力はJSONで返してください。
改善ポイントは3つです。
- 何に分けるかを指定している
- 推測を書かない条件を入れている
- 出力形式を固定している
この3点だけで、結果のブレはかなり減ります。
失敗しやすい点
本人の発言と上長の解釈が混ざる
1on1では、「本人がそう言った」のか、「上長がそう受け取った」のかが重要です。混ざると、記録として弱くなります。
防ぐには、次の一文を追加します。
本人の発言内容と、上長が取るべき対応は分けて記述してください。
課題が抽象的すぎる
「モチベーション低下」「連携に課題」だけでは、次に動けません。
そこで、課題の粒度を指定します。
課題は、できるだけ業務場面が分かる表現にしてください。抽象語だけで終わらせず、何の業務で詰まっているかが分かる形にしてください。
何を次回確認するかが出ない
要約だけで終わると、次の1on1準備に使えません。next_checkpoints を固定項目に入れておくのが有効です。
出力を安定させるコツ
OpenAIは「指示を冒頭に置き、区切りを使い、望む出力形式を具体的に示す」ことを推奨しています。Anthropicも、成功条件を明確にし、明快で直接的な指示と例示を重ねる方法を案内しています。GoogleのGemini向けガイドでも、明確な指示と一貫したフォーマット、少数の例示が有効だと整理されています。
この用途では、次の調整が効きます。
1. 面談メモと指示をはっきり分ける
- 指示文を先に書く
- 面談メモは
"""などで囲む - 出力例を短く添える
2. 書いてほしくないことを明記する
- 人物評価を推測しない
- 医療的判断をしない
- メモにない背景事情を補わない
3. 項目数を絞る
項目を増やしすぎると、どれも薄くなります。最初は5〜8項目程度で十分です。
4. 共有先に合わせて口調を変える
- 内部メモ用: 率直で短い表現
- 本人共有用: 決めつけを避けた表現
- 人事共有のたたき台: 事実と要確認を明確に分けた表現
活用例
同じテンプレートでも、少し変えるだけで使い道が広がります。
次回1on1の準備メモにする
以下を追加します。
next_checkpoints は、次回1on1でそのまま使える質問文の形で出してください。
面談ログを週報向けに圧縮する
以下を追加します。
manager_actions を、今週実施する項目と来週以降に持ち越す項目に分けてください。
複数メンバー分を同じ形式でそろえる
以下を追加します。
全員分を同じキー名、同じ順序で出力してください。空欄項目は省略せず、空配列で返してください。
これで、あとから比較しやすくなります。
すぐ見直せるチェックリスト
- 面談の目的を書いたか
- 本人の発言と上長の判断を分けたか
- 出力形式を固定したか
- 推測を書かない条件を入れたか
- 次回確認事項まで出す指定にしたか
- 不足情報を
missing_infoとして出させたか
最後に重要なのは、AIに「きれいにまとめさせる」ことではありません。次回までに誰が何をするかが残る形にすることです。1on1のメモ整理は、その一点に寄せると実務で使いやすくなります。次に見るべきなのは、要約の上手さではなく、manager_actions と next_checkpoints がそのまま運用に乗るかどうかです。
