アンケート設問をAIで作るプロンプトテンプレート 目的・対象者・集計しやすさまで整える書き方
アンケート設問をAIで作るときは、いきなり「満足度アンケートを作って」と頼むより、調査目的、回答者、使う設問形式、集計後に判断したいことを先に渡す方が実務で使いやすい案になります。
この記事では、社内アンケート、顧客アンケート、採用候補者アンケート、イベント後アンケートなどに使えるプロンプトテンプレートを紹介します。ChatGPT、Claude、Gemini などの汎用LLMで使う前提ですが、2026年7月時点でも各サービスの仕様や画面は変わるため、最終的な設問文と個人情報の扱いは必ず人が確認してください。
この記事で扱うポイントは次の通りです。
- アンケート設問作成に使えるコピペ用プロンプト
- 入力時に変えるべき項目と、固定した方がよい条件
- NG例と改善例
- 集計しやすい設問にするコツ
- 実務カテゴリ別の応用パターン
このプロンプトで作れるもの
このテンプレートは、ただ質問を並べるためではなく、回答後に判断しやすいアンケート案を作るためのものです。
たとえば、次のような場面で使えます。
- 新サービスの利用者に、満足度と改善点を聞きたい
- 社内研修後に、理解度と次回改善点を集めたい
- 採用面接後に、候補者体験を確認したい
- イベント参加者に、企画、進行、資料の評価を聞きたい
- 既存顧客に、解約理由や継続意向を確認したい
重要なのは、AIに「質問をたくさん出して」と頼まないことです。質問数が増えても、判断に使えない回答が増えれば集計の手間だけが残ります。
ここがポイント: アンケート設問は、聞きたいことではなく「回答後に何を決めるか」から逆算して作ると崩れにくくなります。
コピペ用プロンプトテンプレート
まずは、そのまま使える基本形です。{} の部分を自分の業務に合わせて書き換えてください。
あなたは業務アンケート設計の補助者です。
以下の条件に合わせて、回答者が答えやすく、集計しやすいアンケート設問案を作成してください。
【アンケートの目的】
{何を判断するためのアンケートか。例: 新機能の改善優先度を決める}
【回答者】
{回答する人。例: 直近3か月以内に新機能を使った既存顧客}
【利用場面】
{配布場所やタイミング。例: メールで送付、回答時間は3分以内}
【聞きたい主な観点】
- {観点1。例: 満足度}
- {観点2。例: 使いにくかった点}
- {観点3。例: 今後ほしい機能}
【制約】
- 設問数は{設問数}問以内
- 回答時間は{目安時間}分以内
- 専門用語を避ける
- 誘導的な聞き方にしない
- 個人情報や機密情報を直接入力させない
【出力形式】
次の形式で出力してください。
1. アンケートタイトル
2. 冒頭説明文
3. 設問一覧
- 設問文
- 回答形式(単一選択、複数選択、5段階評価、自由記述など)
- 選択肢案
- この設問で分かること
4. 最後に、削ってもよい設問と、必ず残すべき設問を分けてください。
この形にしておくと、AIの出力は「質問文の候補」だけで終わりません。回答形式や設問の意図まで一緒に出るため、Googleフォーム、Microsoft Forms、社内ツールへ移すときに判断しやすくなります。
入力時に変える部分
設問の質を左右するのは、テンプレートそのものよりも入力情報です。特に次の5項目は省略しない方が安定します。
目的は「知りたいこと」ではなく「決めたいこと」で書く
目的欄に「満足度を知りたい」とだけ書くと、一般的な満足度質問が並びがちです。
実務では、次のように書く方が使いやすくなります。
- 悪い例: 顧客満足度を知りたい
- 良い例: 次の四半期で優先的に改善する機能を3つ決めたい
- 良い例: 研修内容を継続、短縮、差し替えのどれにするか判断したい
AIは目的が具体的なほど、質問の優先順位を付けやすくなります。
回答者を具体的にする
同じサービスアンケートでも、新規ユーザー、既存顧客、離脱したユーザーでは聞き方が変わります。
回答者欄には、できるだけ次の情報を入れてください。
- 回答者の立場
- 利用経験の有無
- 回答前に知っている情報
- 回答に使える時間
- 社内向けか社外向けか
たとえば「全社員」よりも「新しい経費精算システムを1回以上使った社員」の方が、設問の焦点が合います。
回答形式を先に指定する
自由記述ばかりのアンケートは、読み解く手間が大きくなります。一方で、選択式だけにすると理由が見えません。
おすすめは、次の組み合わせです。
- 全体評価: 5段階評価
- 理由: 自由記述
- 改善候補: 複数選択
- 優先度: 単一選択
- 属性情報: 必要最小限の選択式
集計したい項目は選択式にし、背景を知りたい項目だけ自由記述にする。この切り分けをプロンプトに入れるだけで、後工程がかなり軽くなります。
NG例と改善例
アンケート作成プロンプトで失敗しやすいのは、AIに設問数だけを指定してしまうケースです。
NG例
新商品のアンケートを10問作ってください。
この指示でも設問は出ます。ただし、誰に聞くのか、何を判断するのか、選択式にするのか自由記述にするのかが分かりません。そのため、よくある質問が横並びになりやすくなります。
改善例
新商品の初回購入者向けアンケートを作ってください。
目的は、次回改善で優先する要素を決めることです。
回答者は、発売後1か月以内に購入した顧客です。
回答時間は3分以内、設問数は8問以内にしてください。
出力には、設問文、回答形式、選択肢案、この設問で判断できることを含めてください。
価格、使いやすさ、購入前の期待との違い、再購入意向を必ず含めてください。
誘導的な表現は避け、個人情報を入力させない設問にしてください。
改善後は、AIが設問を作る基準を持てます。特に「この設問で判断できること」を出力させると、不要な質問を見つけやすくなります。
出力を安定させるコツ
アンケート設問は、文章として自然でも、集計に向かないことがあります。AIに作らせる段階で、次の条件を入れておくと実務で直しやすくなります。
1問で2つ聞かない
「価格と品質に満足していますか」のような質問は、回答者が価格には満足、品質には不満という場合に答えにくくなります。
プロンプトには次の一文を入れてください。
1つの設問では1つの内容だけを聞いてください。価格、品質、サポートなど複数の観点が混ざる場合は設問を分けてください。
選択肢の粒度をそろえる
選択肢に「安い」「普通」「サポートが良い」のような異なる種類の項目が混ざると、集計結果が読みにくくなります。
次の指定が有効です。
選択肢は同じ種類の項目でそろえてください。程度を聞く場合は5段階評価、理由を聞く場合は理由カテゴリ、行動を聞く場合は行動パターンに分けてください。
最後に見直し観点を出させる
最初の出力をそのまま使うより、AI自身にチェックさせる方が抜けを見つけやすくなります。
最後に、作成した設問を次の観点でチェックしてください。
- 誘導的な表現がないか
- 1問で複数のことを聞いていないか
- 回答者が答えにくい設問がないか
- 集計しにくい自由記述が多すぎないか
- 個人情報や機密情報を入力させる設問がないか
OpenAI、Anthropic、Google の公式ドキュメントでも、明確な指示、文脈、出力形式、例を与えることがプロンプト改善の基本として説明されています。アンケート設問でも同じで、AIに「何を作るか」だけでなく「どんな形で判断に使うか」まで渡すことが重要です。
業務カテゴリ別の活用例
同じテンプレートでも、目的欄と観点欄を変えるだけで、いくつかの業務に展開できます。
顧客アンケート
目的は、満足度の把握よりも改善優先度の決定に置くと使いやすくなります。
【アンケートの目的】
既存顧客の不満点を把握し、次回改善で優先する項目を決める
【聞きたい主な観点】
- 利用頻度
- 満足している点
- 不満に感じた点
- 継続利用の意向
- 改善してほしい機能
社内アンケート
社内向けでは、回答者が本音を書きやすい設計が必要です。部署名や個人が特定される情報を求めすぎないようにします。
【アンケートの目的】
新しい業務フローの負担が大きい箇所を見つけ、見直し対象を決める
【制約】
- 個人名、社員番号、具体的な顧客名は入力させない
- 部署が少人数の場合は部署名を任意回答にする
- 批判ではなく、改善点として答えられる表現にする
採用・候補者体験アンケート
採用では、候補者の評価ではなく、選考プロセスの改善点を聞く形にします。
【アンケートの目的】
候補者が選考中に不安を感じた場面を把握し、案内文や面接前後の連絡を改善する
【聞きたい主な観点】
- 応募前に知りたかった情報
- 日程調整の分かりやすさ
- 面接前の案内の十分さ
- 面接後連絡の印象
- 改善してほしい点
イベント・セミナー後アンケート
イベント後は、満足度だけでなく、次回の企画に使える情報を集めると価値が出ます。
【アンケートの目的】
次回セミナーのテーマ、時間配分、資料内容を改善する
【聞きたい主な観点】
- 参加目的に合っていたか
- 分かりやすかった内容
- もっと詳しく知りたかった内容
- 時間配分
- 次回取り上げてほしいテーマ
追加で使える出力形式指定
AIの出力をそのままフォーム作成に回したい場合は、出力形式を少し厳密にします。
表形式で出したい場合
設問一覧は、次の列を持つ表で出力してください。
- No.
- 設問文
- 回答形式
- 選択肢
- 必須/任意
- この設問で分かること
- 見直し注意点
CSVに近い形で出したい場合
フォーム作成ツールに転記しやすいよう、次の列順でCSV風に出力してください。
No,設問文,回答形式,選択肢,必須/任意,設問意図
選択肢にカンマが含まれる場合は、選択肢全体をダブルクォートで囲んでください。
JSONで管理したい場合
設問案をJSON形式で出力してください。
各設問は、question, type, options, required, purpose, caution のキーを持つ形にしてください。
説明文はJSONの外に出さず、JSONだけを出力してください。
CSVやJSONで出す場合は、あとで人が確認する前提でも、形式崩れが起きることがあります。重要な業務に使うときは、貼り付け前に列数、括弧、引用符、必須項目を確認してください。
最終チェックリスト
アンケート設問をAIで作った後は、公開前に次の点を確認してください。
- 回答後に何を決めるかが明確になっている
- 1問で2つ以上のことを聞いていない
- 選択肢の粒度がそろっている
- 自由記述が多すぎない
- 回答者が答えにくい専門用語を使っていない
- 個人情報、顧客名、機密情報を入力させていない
- 誘導的な表現になっていない
- 必須設問が多すぎない
- 集計に使う設問と、背景を知る設問が分かれている
AIは設問案を早く作る道具として便利ですが、調査の責任者にはなれません。最後に見るべきなのは、設問数の多さではなく、回答後に本当に判断できるかです。迷ったら、設問ごとに「この回答を見て何を変えるのか」を1行で書けるか確認してください。
