個人事業主の見積もり提案文をAIで作るプロンプトテンプレート 価格だけで終わらせない書き方
個人事業主が見積もり提案文をAIに作らせるなら、単に「丁寧な文章で見積もりを書いて」と頼むだけでは弱いです。受注率を上げやすいのは、金額だけでなく、作業範囲・進め方・納品物・対象外・次の行動まで一緒に書かせるプロンプトです。
このテンプレートは、Web制作、ライティング、デザイン、運用代行、事務サポートなど、案件ごとに条件が変わりやすい個人事業主向けです。出力はそのままメールや提案メッセージに流用しやすい長文形式を基本にしつつ、必要に応じて箇条書き版も作れるようにしています。
- 何に使うか: 個人事業主向けの見積もり提案文を短時間で下書きする
- 誰向けか: 提案文づくりに時間をかけにくいフリーランス、副業ワーカー、小規模事業者
- ねらう出力: メール本文、DM文面、提案文のたたき台
- この記事の結論: 「前提条件」と「含む作業・含まない作業」を先に渡すと、値段だけが浮く提案文になりにくい
ここがポイント: 見積もり提案文では、金額の説明よりも先に「何を、どこまで、どう進めるか」を固定すると、AIの出力が安定しやすくなります。
このプロンプトが向いている場面
見積もり提案文で困りやすいのは、料金表そのものより、相手に納得してもらう説明部分です。特に個人事業主は、案件ごとに条件が違うため、毎回ゼロから書くと時間がかかります。
このテンプレートは、次のような場面で使いやすいです。
- 初回問い合わせ後に、提案と見積もりをまとめて送りたいとき
- 相手の要望はある程度分かったが、文章化がまだ粗いとき
- 値引き交渉を避けるため、作業範囲を先に明確にしたいとき
- メール文面と、箇条書きの見積もり要約を同時にほしいとき
完成イメージ
完成形は、ただの金額通知ではありません。少なくとも次の要素が入っていると実務で使いやすくなります。
- 相手の依頼内容の要約
- 提供する作業範囲
- 納品物または成果物
- 料金と簡単な内訳
- 対応外の項目
- 進行の流れ
- 返信してほしい確認事項
コピペ用プロンプトテンプレート
以下は、ChatGPT、Claude、Gemini などの汎用LLMで使いやすい形に寄せたテンプレートです。執筆時点では各社の公式ガイドでも、指示を明確にすること、出力形式を指定すること、必要なら例を与えることが共通して勧められています。
あなたは個人事業主の営業アシスタントです。
見積もり提案文を、日本語で、読みやすく、実務でそのまま使いやすい形で作成してください。
# 目的
{相手に、依頼内容と見積もり条件を分かりやすく伝え、返信しやすい提案文を作る}
# 前提情報
- 提供者の業種: {Web制作 / ライター / デザイナー / 動画編集 / 事務代行 など}
- 提供者名: {屋号または氏名}
- 提案先: {法人名または個人名}
- 提案先の状況: {初回問い合わせ後 / 打ち合わせ後 / 再見積もり など}
- 依頼内容の要約: {何を頼まれているか}
- 提供する作業範囲: {対応する作業}
- 対応しない作業: {対象外の作業}
- 納品物: {原稿、デザインデータ、ページ一式、運用レポート など}
- スケジュール: {開始予定日、初稿日、納品予定日}
- 金額: {総額}
- 金額内訳: {内訳があれば記載}
- 修正対応: {何回まで含むか}
- 追加費用条件: {追加費用が発生する条件}
- 提案の強み: {速さ、専門性、伴走、改善提案 など}
- 文体: {やや丁寧 / 丁寧 / 親しみあり}
# 出力条件
- まず短い導入を書き、そのあと提案内容を自然な文章で説明する
- 金額だけが目立たないように、作業範囲、進め方、納品物も入れる
- 読み手が不安になりやすい点として、対応範囲、修正回数、追加費用条件を明記する
- 営業色が強すぎる誇張表現は避ける
- 最後に、返信してほしい確認事項を3点以内で添える
- 専門用語を使いすぎない
# 出力形式
次の順で出力してください。
1. メール送付向けの見積もり提案文
2. 社内メモやチャット共有用の要点箇条書き
3. 件名案を3つ
# 追加指示
- 情報が足りない場合は、勝手に補わず、不足項目を最後に列挙する
- 金額の妥当性は断定しない
- 相手に次の行動が分かる締め方にする
入力時に変える部分
このテンプレートは、そのまま貼るだけでは足りません。精度を左右するのは、可変部分の入れ方です。
必ず入れたい項目
{依頼内容の要約}依頼の中身を1文で言えるようにします。ここが曖昧だと、提案文全体がぼやけます。{提供する作業範囲}何をやるかを列挙します。見積もりで最も重要な部分です。{対応しない作業}ここがないと、AIは親切そうな文章を書く一方で、範囲の線引きを落としがちです。{修正対応}「何回まで含むか」を明記すると、後から揉めにくくなります。{追加費用条件}ページ追加、仕様変更、原稿差し替えなど、料金が動く条件を先に書いておくのが実務向きです。
固定しやすい項目
毎回ほぼ同じなら、以下はテンプレートに固定して構いません。
- 文体
- 出力順
- 最後に確認事項を添える指定
- 不足情報を列挙する指定
NG例と改善例
同じ見積もり提案文でも、指示の出し方で出力はかなり変わります。
NG例
Web制作の見積もり提案文を丁寧に作って。金額は15万円で、感じよくお願いします。
この書き方だと、次の問題が起きやすいです。
- 「何を含む15万円か」が抜ける
- 対象外作業が書かれない
- 返信してほしい内容がない
- 丁寧だが薄い文章になりやすい
改善例
個人事業主のWeb制作者として、打ち合わせ後に送る見積もり提案文を作成してください。
依頼内容は、5ページのコーポレートサイト制作です。
含む作業は、構成整理、トップページと下層4ページの制作、スマホ対応、問い合わせフォーム設置です。
含まない作業は、原稿作成、写真撮影、ロゴ制作です。
金額は15万円、修正は2回まで含みます。
追加費用は、ページ追加と大幅な仕様変更がある場合のみ発生します。
メール本文として自然な長さで、最後に確認してほしい項目を3つ添えてください。
改善後のポイントは明確です。
- 価格の前に作業範囲を固定している
- 対象外と追加費用条件を先に置いている
- 相手の次の行動まで指定している
この3点だけでも、実務で使える文章に近づきます。
出力を安定させるコツ
AIに見積もり提案文を書かせるときは、文章力より先に、出力のブレを減らす設計が重要です。
1. 役割を狭くする
「営業が得意なAI」より、「個人事業主の営業アシスタント」「見積もり提案文を作る担当」のように役割を狭めた方が、文体も論点も安定しやすくなります。
2. 出力形式を先に決める
長文だけを求めるより、次のように分けた方が使い回しやすいです。
- メール本文
- 要点箇条書き
- 件名案
- 不足情報リスト
特にGeminiの公式ガイドでは、出力形式を明確にすることや、例を与えることが基本戦略として案内されています。OpenAIとAnthropicの公式ドキュメントでも、明確で具体的な指示、評価基準の設定、必要に応じた例示が重視されています。
3. 曖昧語を減らす
「魅力的に」「いい感じに」「納得感のある」だけでは、モデルごとの差が出やすくなります。代わりに、こう置き換えます。
- 「魅力的に」→「売り込みすぎず、安心感を重視して」
- 「分かりやすく」→「専門用語を減らし、1文を長くしすぎず」
- 「丁寧に」→「敬語で、硬すぎず、押し売りに見えない」
4. 不足情報は埋めさせない
見積もり文では、AIが都合よく条件を補うと危険です。次の一文は入れておく価値があります。
情報が足りない場合は推測で補わず、不足項目として列挙してください。
活用例
同じテンプレートでも、業種が変われば入れるべき情報が変わります。
Web制作
重視したい項目は次の通りです。
- ページ数
- 原稿作成の有無
- サーバーやドメイン作業の有無
- 修正回数
- 公開後の保守範囲
ライティング
見積もり提案文に入れたいのは、文字数だけではありません。
- 想定本数
- 構成案の有無
- 取材の有無
- SEO観点の有無
- 修正範囲
デザイン
特に抜けやすいのは、納品データ形式と修正条件です。
- バナー点数
- サイズ展開の有無
- 納品形式
- 素材支給の有無
- 初稿後の修正回数
追加で使える短縮テンプレート
メッセージアプリやDMで、まず簡潔に送りたいときは短文版も便利です。
以下の条件をもとに、見積もり提案メッセージを300文字前後で作成してください。
- 依頼内容: {依頼内容}
- 対応範囲: {対応範囲}
- 対応外: {対応外}
- 金額: {金額}
- 納期: {納期}
- 修正条件: {修正条件}
- 文体: {丁寧 / やや親しみあり}
条件:
- 短文でも作業範囲が伝わるようにする
- 値段だけが先に立たない構成にする
- 最後に返信してほしい確認事項を1つか2つ添える
送る前のチェックリスト
AIの出力をそのまま送る前に、最低限ここは確認したいところです。
- 作業範囲と対象外が矛盾していないか
- 金額と内訳の整合性が取れているか
- 修正回数が明記されているか
- 追加費用条件が曖昧なまま残っていないか
- 相手が次に何を返せばいいか分かる締め方になっているか
- AIが勝手に補った条件が混ざっていないか
まとめ
個人事業主向けの見積もり提案文は、文章のうまさだけで決まりません。受注につながりやすいのは、金額の見せ方より先に、作業範囲、対象外、修正条件、次の確認事項を整理したプロンプトです。
特に、案件ごとに条件が揺れる仕事ほど、AIには「何を書くか」より「何を書き漏らさないか」を指示した方が実務で使えます。次に見直すべきなのは、テンプレート本体より、あなたの業種で毎回ブレる項目です。そこを先に定義できると、見積もり提案文の手戻りはかなり減らせます。
