面接質問をAIで作るプロンプトテンプレート決定版 採用担当者がそのまま使える実務向けの書き方
採用担当者や現場面接官向けに、応募職種に合った面接質問を短時間で整理したいときに使えるプロンプトテンプレートをまとめました。対象は、人事、採用広報、現場マネージャーなど、面接設計を効率化したい初級から中級の実務担当者です。
結論から言うと、面接質問づくりのプロンプトは「職種」「評価したい要件」「質問の目的」「回答の見極め方」まで一度に指定すると、使える形にまとまりやすくなります。逆に、単に「面接質問を作って」と頼むだけでは、どの会社でも使えそうな薄い質問が並びがちです。
- このテンプレートでできること: 職種別の面接質問案、深掘り質問、評価観点、NG質問の確認
- 向いている場面: 書類選考後の一次面接、現場面接、構造化面接のたたき台作成
- 狙う出力形式: 箇条書き中心。必要に応じて評価表やJSONにも展開可能
- 対応モデルの前提: 2026年4月時点で、ChatGPT、Claude、Gemini などの汎用LLMで使える汎用型テンプレート
ここがポイント: 面接質問そのものよりも、「何を見極める質問か」と「よい回答・注意回答の目安」まで同時に出させるほうが、実務では圧倒的に使いやすくなります。
このプロンプトは何に使うのか
面接質問づくりで時間がかかるのは、質問数を増やす作業ではありません。職種ごとに見たい能力を整理し、質問と評価軸をずらさず並べる作業です。
たとえば営業職とバックエンドエンジニアでは、同じ「課題解決力」でも確認の仕方が違います。営業なら顧客折衝や目標達成の再現性、エンジニアなら要件整理や障害対応の切り分けが重要です。ここを曖昧にしたままAIに任せると、質問が一般論に寄ります。
このテンプレートでは、次の3点を最初から固定します。
- 募集ポジションと業務内容
- 見極めたい能力や経験
- 出力時に必要な評価観点
これで、単なる質問集ではなく、面接でそのまま使える下書きになりやすくなります。
コピペ用プロンプトテンプレート
まずはこの形で使えば十分です。長すぎる説明を足すより、評価したい項目を明確に書くほうが出力は安定します。
あなたは採用担当者向けの面接設計アシスタントです。
以下の条件をもとに、{職種名}の採用面接で使う質問案を作成してください。
# 目的
- 面接の目的: {面接の目的}
- 想定面接: {一次面接 / 二次面接 / 最終面接 / カジュアル面談}
- 対象者レベル: {未経験 / ジュニア / ミドル / シニア / 管理職}
# 募集情報
- 職種名: {職種名}
- 主な業務内容: {業務内容}
- 必須要件: {必須要件}
- 歓迎要件: {歓迎要件}
- 会社や部署の特徴: {組織特性}
# 面接で見極めたい項目
- 評価項目: {評価項目1, 評価項目2, 評価項目3...}
- 特に重視する項目: {最重要項目}
- 避けたい採用ミスマッチ: {懸念点}
# 出力条件
以下の形式で、日本語で出力してください。
1. 面接全体の確認ポイントを3つ
2. 面接質問を10個
3. 各質問ごとに以下を付ける
- 質問の狙い
- 見極めたい能力
- 深掘り質問を1〜2個
- よい回答の例の特徴
- 注意したい回答の特徴
4. 法務・コンプライアンス上、避けるべき質問があれば最後に注意点として整理する
# 制約
- 抽象的すぎる質問を避ける
- 候補者が具体例で答えやすい聞き方にする
- 質問の重複を避ける
- {職種名}に特有の業務場面が分かる質問を優先する
- 表形式ではなく、見出し付きの箇条書きで出力する
このテンプレートは、一次面接のたたき台として特に使いやすい形です。質問だけでなく「よい回答の特徴」まで出させるので、面接官ごとのばらつきも減らしやすくなります。
入力時に変える部分
そのまま貼っても動きますが、精度を左右するのは可変部分です。特に次の項目は省略しないほうがいいです。
必ず埋めたい項目
{職種名}: 例: インサイドセールス、経理、バックエンドエンジニア{面接の目的}: 例: 基礎スキル確認、カルチャーフィット確認、マネジメント経験確認{業務内容}: 日常業務が見える粒度で書く{必須要件}: 実務経験年数、使用ツール、担当範囲など{評価項目}: 例: 再現性、論理性、協働性、学習速度{懸念点}: 早期離職リスク、役割誤認、経験の浅さなど
固定したほうがよい条件
毎回ぶらさないほうが、比較しやすい項目です。
- 質問数
- 各質問に付ける評価観点
- 出力形式
- 深掘り質問の数
入力例
{職種名} = カスタマーサクセス
{面接の目的} = 一次面接で、顧客対応力と課題整理力を確認する
{業務内容} = SaaS導入企業のオンボーディング支援、活用定着、解約兆候の把握
{必須要件} = 法人顧客対応の実務経験2年以上、オンライン商談経験
{歓迎要件} = SaaS業界経験、ヘルススコア運用経験
{評価項目} = 顧客理解、論理的説明力、関係構築、問題解決力
{最重要項目} = 顧客課題を言語化して次の打ち手に落とす力
{懸念点} = 受け身の対応に終始し、顧客の課題を自走して拾えないこと
よくあるNG例と改善例
AIで面接質問を作るときの失敗は、だいたい同じです。指示が短すぎるか、逆に背景説明ばかりで出力条件が弱いかのどちらかです。
NG例1: 指示が短すぎる
カスタマーサクセスの面接質問を考えて。
これだと、どのレベルの候補者なのか、何を評価したいのか、一次面接なのか最終面接なのかが分かりません。その結果、「自己紹介をお願いします」「強みと弱みを教えてください」といった汎用質問に寄りやすくなります。
改善例1: 評価軸まで指定する
カスタマーサクセス職の一次面接で使う質問を10個作成してください。
顧客対応力、課題整理力、関係構築力を見極めることが目的です。
各質問に、質問の狙い、深掘り質問、よい回答の特徴、注意したい回答の特徴を付けてください。
SaaSのオンボーディング支援を想定し、候補者が具体例で答えやすい質問にしてください。
変えたのは質問数ではありません。評価軸と出力形式を先に固定したことが効いています。
NG例2: 会社事情だけ長く、出力条件が弱い
背景を長く書いても、最後に何を出してほしいかが曖昧だとまとまりません。
避けたい書き方は次のようなものです。
- 会社説明が長い
- でも質問数が未指定
- 評価観点も未指定
- 面接段階も未指定
この場合、AIは要点を推測して埋めます。実務ではその推測がズレやすいです。
改善例2: 出力の型を先に決める
- 面接段階を指定する
- 質問数を決める
- 各質問に付ける項目を固定する
- 避けるべき質問の注意点も最後に出させる
出力を安定させるコツ
OpenAI、Anthropic、Googleの公式ガイドでも共通しているのは、役割、タスク、文脈、出力形式を明確にすることです。面接質問づくりでも、この基本はそのまま効きます。参考: OpenAIのPromptingガイド、AnthropicのPrompt engineering overview、Google Docs Editors HelpのGeminiプロンプト解説
1. 役割を先に置く
冒頭で「あなたは採用担当者向けの面接設計アシスタントです」と置くと、質問のトーンが安定しやすくなります。
2. 候補者レベルを曖昧にしない
同じ職種でも、ジュニアと管理職では質問がまったく変わります。
- ジュニア: 基礎理解、再現性、学習姿勢
- ミドル: 自走力、改善経験、関係者調整
- 管理職: 組織運営、評価、採用、意思決定
3. 「よい回答の特徴」を必ず付ける
質問だけだと、面接官がその場で判断基準を補うことになります。評価のばらつきを減らしたいなら、回答評価までセットで出させるべきです。
4. 深掘り質問を1〜2個に絞る
深掘り候補を増やしすぎると、実際の面接では使い切れません。一次面接なら1〜2個で十分です。
5. 禁止事項も明記する
法務・コンプライアンス観点の質問は、先回りして注意書きを出させたほうが安全です。AIは便利ですが、面接で許容される質問範囲を自動で完全保証してくれるわけではありません。
出力形式を変えたいときの追加指定
用途によっては、箇条書きより表やJSONのほうが扱いやすいことがあります。面接官への共有、ATSへの転記、社内レビューで使うならここを変えるだけで十分です。
箇条書きで出したい場合
見出し付きの箇条書きで、1問ずつ区切って出力してください。
表形式で出したい場合
列を「質問」「狙い」「評価項目」「深掘り質問」「よい回答の特徴」「注意回答の特徴」とした表形式で出力してください。
JSONで出したい場合
以下のJSON配列で出力してください。
[
{
"question": "",
"purpose": "",
"competency": "",
"follow_up": ["", ""],
"good_answer_signs": ["", ""],
"risk_signs": ["", ""]
}
]
JSON指定は、採用管理シートや他ツールへの連携を考えている場合に便利です。逆に、すぐ読むだけなら箇条書きのほうが速いです。
活用例
同じテンプレートでも、職種が変わると聞くべき内容はかなり変わります。
例1: 営業職
重視しやすい項目は次の通りです。
- 目標達成の再現性
- 顧客理解
- 失注要因の振り返り
- 行動量だけでなく改善の工夫
例2: エンジニア職
重視しやすい項目は次の通りです。
- 要件理解
- 問題の切り分け
- チーム開発での連携
- 技術選定の説明力
例3: バックオフィス職
重視しやすい項目は次の通りです。
- 正確性
- 期限管理
- ルール理解
- 他部署との調整
ここで大事なのは、質問を職種名だけで変えることではありません。その職種で成果に直結する行動や判断を言語化してからプロンプトに入れることです。
モデル別に使うときの考え方
2026年4月時点では、ChatGPT、Claude、Geminiのいずれでも、今回のような構造化された依頼は通しやすいです。ただし、実務ではモデル差よりも、入力の具体性と出力形式の固定のほうが影響が大きくなります。
使い分けるなら、まずは次の順で見ると整理しやすいです。
- 出力の安定性を見たい: 質問数、項目数、形式の守りやすさ
- 長い募集要項を入れたい: 文脈量に対する扱いやすさ
- 共有前に整えたい: 日本語の自然さ、箇条書きの見やすさ
まず1つのテンプレートを固定し、同じ入力で比べると差が見えます。モデルを変える前に、プロンプトの変数定義を整えるほうが改善効果は大きいです。
仕上げ前のチェックリスト
面接で実際に使う前に、最低限ここは見直したいところです。
- 職種固有の業務場面が質問に入っているか
- 評価項目と質問がずれていないか
- 候補者レベルに対して難しすぎないか
- 深掘り質問が多すぎないか
- 面接官が読んですぐ使える長さか
- 不適切な質問が混ざっていないか
テンプレートを1回で完成させる必要はありません。まずは1職種、1面接段階、1出力形式で固定し、社内で使いやすい型に寄せるのが近道です。次に見るべきなのは、質問数を増やすことではなく、評価項目ごとの見極め精度が揃っているかです。
