ポッドキャスト企画と台本をAIで作るプロンプト|尺と話し言葉まで整える実務テンプレート
ポッドキャストの企画案から収録用台本まで作りたい人向けのプロンプトです。テーマ、想定リスナー、配信時間、出演者を入力すると、番組の狙い、時間配分、会話の流れ、締めの言葉まで一続きで設計できます。
単に「台本を書いて」と頼むのではなく、まず構成を固め、その後に話し言葉へ展開するのがポイントです。
この記事で分かることは次のとおりです。
- 企画と台本をまとめて作るコピペ用プロンプト
- 入力時に変更する項目と、固定したい条件
- 棒読みになりにくい会話設計
- 尺の超過や事実の創作を防ぐ確認方法
- 一人語り、対談、インタビューへの応用方法
このプロンプトで作れるもの
完成イメージは、企画書と収録台本を分けて確認できる状態です。 企画の良し悪しを判断してから台本へ進めるため、方向性がずれた長文を最初から書き直す手間を減らせます。
出力する内容は大きく5つです。
- 番組企画の要約
- リスナーが持ち帰れる価値
- セクションごとの時間配分
- 話者別の収録用台本
- 収録前に確認すべき不足情報
たとえば「フリーランス向けに請求書管理を解説する15分番組」なら、制度の一般論を並べるのではなく、導入、よくある困りごと、具体的な整理方法、注意点、まとめへと流れを作れます。
ここがポイント: AIに任せるのは文章の生成だけではありません。誰に何を持ち帰ってもらうかを先に定め、限られた配信時間へ情報を割り振らせます。
コピペ用プロンプトテンプレート
以下はChatGPT、Claude、Geminiなどの対話型AIで使える汎用テンプレートです。サービスによって出力傾向は異なるため、最初の結果を完成稿とせず、後述する確認手順で調整してください。
あなたは、音声番組の構成作家兼編集者です。
以下の入力情報を基に、ポッドキャストの企画と収録用台本を作成してください。
# 目的
{この配信で達成したいこと}
# 入力情報
- 番組テーマ: {テーマ}
- 想定リスナー: {年齢、職種、知識レベル、悩みなど}
- 配信時間: {合計○分}
- 配信形式: {一人語り/対談/インタビュー}
- 出演者: {話者名と役割}
- リスナーに持ち帰ってほしいこと: {1つに絞る}
- 必ず扱う内容: {論点や事実}
- 扱わない内容: {対象外の話題}
- 話し方: {親しみやすい/落ち着いた/専門的など}
- 行動喚起: {番組フォロー、関連記事の確認など。不要なら「なし」}
# 制約
- 配信時間内に収まるよう、セクションごとの目安時間を示す
- 冒頭30秒以内に、今回のテーマと聴くメリットを伝える
- 書き言葉をそのまま読ませず、声に出して自然な短い文にする
- 専門用語を使う場合は、その直後に短い説明を加える
- 入力情報にない数値、事例、人物の発言、体験談を創作しない
- 情報が不足している箇所は推測で埋めず、「要確認」と記載する
- 話者が複数いる場合は、同じ説明の繰り返しを避け、役割を分ける
# 作業手順
1. 想定リスナーの悩みと、番組を聴いた後の変化を1文ずつ整理する
2. 配信時間に合わせて構成案と時間配分を作る
3. 各セクションの目的を明示する
4. 構成に沿って収録用台本を書く
5. 最後に、尺、事実関係、話し言葉、重複を点検する
# 出力形式
## 1. 企画概要
- 仮タイトル
- 想定リスナー
- リスナーの悩み
- 聴いた後に得られること
- 番組の中心メッセージ
## 2. 構成と時間配分
各セクションについて、次の順で箇条書きにする
- セクション名
- 目安時間
- 目的
- 扱う要点
## 3. 収録用台本
- セクション見出しを付ける
- 「話者名: セリフ」の形式にする
- 必要に応じて [間] [補足資料を確認] [効果音] の演出指示を入れる
- 一文を短くし、声に出して読みやすくする
## 4. 収録前チェック
- 合計時間の見積もり
- 要確認の事実
- 削っても主旨が変わらない箇所
- 言いにくい表現や長すぎる文
入力時に変える項目
最も重要なのは「誰向けか」と「何を一つ持ち帰ってもらうか」です。 ここが曖昧だと、AIは広い話題を均等に並べ、焦点のぼやけた台本を作りやすくなります。
毎回変更する項目
{番組テーマ}: 「働き方」のような大分類ではなく、「在宅勤務で集中を切らさない朝の準備」のように具体化する{想定リスナー}: 属性だけでなく、知識レベルや困っている場面を書く{配信時間}: 10分、20分など合計尺を明記する{配信形式}: 一人語り、対談、インタビューのいずれかを選ぶ{持ち帰ってほしいこと}: 配信後に説明できること、判断できること、実行できることを一つ指定する{必ず扱う内容}: 手元の資料や確認済みの事実を入れる
固定した方がよい条件
次の条件はテンプレートに残しておくと、出力が安定します。
- 未確認情報を創作しない
- 不足情報には「要確認」と付ける
- 冒頭で聴くメリットを伝える
- セクションごとに時間を割り振る
- 書き言葉ではなく、声に出しやすい短文にする
- 最後に尺と事実関係を点検する
Googleの公式プロンプト設計ガイドでも、指示を明確かつ具体的にし、望む回答形式を指定する方法が案内されています。今回のテンプレートで目的、制約、出力形式を分けているのも、AIが各条件を識別しやすくするためです。
よくあるNG例と改善例
「面白い台本を書いて」だけでは、面白さの基準も必要な尺もAIには伝わりません。 結果として、長すぎる導入や根拠のないエピソードが混ざることがあります。
NG例:テーマだけを渡す
副業について、面白いポッドキャスト台本を書いてください。
この指示では、次の条件が決まっていません。
- 誰が聴くのか
- 何分の番組なのか
- 一人語りか対談か
- 副業の何を扱うのか
- 聴いた後に何をしてほしいのか
- どの情報が確認済みなのか
改善例:判断に必要な条件を入れる
会社員で、副業を始めたいが時間管理に不安がある初心者向けに、
「平日に副業時間を確保する方法」を扱う12分の一人語り台本を作成してください。
中心メッセージは「最初から毎日続けず、週2回の固定枠から始める」です。
冒頭30秒で聴くメリットを伝え、導入、3つの実践策、注意点、まとめの順に構成してください。
各パートの目安時間も示してください。
入力にない統計、体験談、成果は創作せず、必要な情報は「要確認」としてください。
改善点は、形容詞で「面白く」と頼む代わりに、リスナー、悩み、尺、中心メッセージ、構成、禁止事項を指定したことです。AIが判断できる材料へ置き換えると、修正箇所も見つけやすくなります。
出力を安定させる3つのコツ
一度に完成稿を求めるより、構成、台本、点検の順に進める方が調整しやすくなります。
1. 企画案を承認してから台本化する
最初の出力で方向性がずれた場合は、全文を直す前に構成だけを修正します。
まだ台本は書かず、企画概要と時間配分だけを出してください。
私が構成を確認した後、その構成を基に収録用台本を作成してください。
この二段階方式なら、扱う論点の不足や時間配分の偏りを早い段階で発見できます。
2. 尺は「分数」と「削る優先順位」で管理する
AIが作る台本の長さは、話速や間の取り方によって実際の収録時間とずれます。分数だけでなく、超過時に何を削るかも指定してください。
全体を15分想定で構成してください。
尺を超える場合は、中心メッセージと具体例を残し、
補足説明、言い換え、重複する相づちの順に削ってください。
最終的な尺は、実際に音読して確認します。固有名詞が多い回や、話者同士の間を重視する番組では、文字数だけの見積もりは当てにしすぎない方が安全です。
3. 確認済み情報と演出を分ける
ポッドキャストでは自然な会話が必要ですが、自然さを出すために実在しない体験談を加えてはいけません。入力を次のように分けます。
# 確認済み情報
{資料、数値、発言、実際の事例}
# 演出してよい要素
- 導入の問いかけ
- 話題を切り替える一言
- 相づち
- まとめの言い換え
# 創作してはいけない要素
- 出演者の体験談
- 顧客や利用者の発言
- 統計や調査結果
- 商品やサービスの効果
OpenAIの公式モデルガイダンスでも、目標、関連する背景、制約、成功条件、出力形式を明示する考え方が示されています。ポッドキャスト台本では、そこへ「確認済み情報」と「演出可能な範囲」を加えると、事実と会話表現を切り分けやすくなります。
配信形式別の追加指定
基本テンプレートへ数行追加すれば、一人語り、対談、インタビューに応用できます。
一人語り
一人語りでは説明が単調になりやすいため、リスナーへの問いかけと要点の再提示を入れます。
- 2〜3分ごとに、リスナーが自分の状況を振り返れる短い問いを入れる
- 同じ語尾を3回以上続けない
- 各セクションの最後に、要点を一文で言い直す
対談
対談では、二人が同じ説明を繰り返さないよう役割を決めます。
- {話者A}は進行と要点整理を担当する
- {話者B}は具体例と異なる視点を担当する
- 相づちは必要最小限にし、内容のない往復を増やさない
- 意見が異なる場面では、対立点と共通点を一度ずつ整理する
インタビュー
インタビューでは回答を創作せず、質問台本として出力させることが重要です。
回答者の発言は作らず、司会者の質問と深掘り用の追加質問だけを作成してください。
各質問には「この質問で確認したいこと」を添えてください。
想定外の回答が来た場合の追質問を2つずつ用意してください。
企画だけを比較したいときの応用プロンプト
テーマは決まっているものの切り口を選べない場合は、台本を書く前に企画候補を比較します。
{番組テーマ}について、{想定リスナー}向けのポッドキャスト企画を5案出してください。
各案について、次の項目を示してください。
- 仮タイトル
- リスナーの具体的な悩み
- 中心メッセージ
- 15分で扱う3つの要点
- この企画に必要な確認資料
- 他の案との違い
最後に、次の基準で各案を5段階評価してください。
- リスナーの悩みとの近さ
- 15分で完結できるか
- 具体例を入れやすいか
- 既存回と内容を分けやすいか
評価理由は各項目1文以内にしてください。
ここでは、AIに「最も面白い案」を決めさせるのではなく、判断基準を並べてもらいます。最終的な採用案は、手元にある資料、出演者の専門性、過去回との重複を確認して選びます。
収録前チェックリスト
AIが整った文章を返しても、そのまま収録へ進まず、次の項目を確認してください。
- [ ] 想定リスナーが一文で説明されている
- [ ] 中心メッセージが一つに絞られている
- [ ] セクションの合計時間が配信予定尺に収まっている
- [ ] 冒頭でテーマと聴くメリットが伝わる
- [ ] 入力していない数値、発言、体験談が追加されていない
- [ ] 専門用語に短い説明がある
- [ ] 声に出すと長すぎる文が分割されている
- [ ] 話者ごとの役割が重複していない
- [ ] 削っても主旨が変わらない箇所が分かる
- [ ] 固有名詞、数値、URL、告知内容を人が再確認した
最後の分岐点は、文章の見た目ではなく実際に音読したときに予定尺へ収まるかです。構成を確定したら一度通して読み、超過した場合は中心メッセージを残したまま、補足、重複、長い相づちから削ってください。
