企画書の骨子をAIで作るプロンプトテンプレート 目的・相手・判断材料を一度にそろえる書き方
企画書の骨子作りでAIを使うなら、最初に「何を提案するのか」だけでなく、「誰が判断するのか」「何を見て採用可否を決めるのか」まで入れるのが近道です。
このテンプレートは、ChatGPT、Claude、Gemini などの汎用LLMで、社内提案・新規施策・業務改善・イベント企画などの企画書のたたき台を作りたい人向けです。完成文をそのまま提出するためではなく、上司や関係者に見せる前の骨子を早く整えるために使います。
この記事で分かることは、次の4つです。
- 企画書の骨子を作るコピペ用プロンプト
- 入力時に変えるべき項目
- AIが外しやすい失敗例と改善例
- 出力を安定させるための確認ポイント
ここがポイント: 企画書プロンプトでは「アイデアを広げて」よりも、「判断者が見たい項目で整理して」と頼む方が、仕事で使いやすい出力になります。
何に使えるテンプレートか
このテンプレートは、企画の初期段階で「何を書くべきか」を整理するために使います。
企画書を書くときに止まりやすいのは、文章表現よりも前の段階です。目的、背景、対象者、実施内容、費用、効果、リスクがばらばらだと、AIに頼んでも見栄えのよい一般論が返ってきます。
そこで、プロンプトでは次の3点を先に固定します。
- 誰に向けた企画書か
- 何を決めてもらう企画書か
- どの形式で出してほしいか
たとえば、同じ「社内勉強会の企画」でも、総務部に相談する資料と、部長に承認をもらう資料では書くべき材料が変わります。AIには、その違いを最初に渡します。
向いている場面
このテンプレートが特に使いやすいのは、次のような場面です。
- 新規施策の企画書を作る前に、構成を整理したい
- 上司に相談するための1ページ骨子を作りたい
- 会議前に、企画の抜け漏れを見つけたい
- 複数案を比較できる形にしたい
- 企画書を書く前に、必要な追加情報を洗い出したい
逆に、法的判断、正式な予算承認、契約条件の確定などはAIだけで完結させないでください。AIの出力は下書きです。社内ルール、機密情報、個人情報、数字の根拠は人が確認する前提で使います。
コピペ用プロンプトテンプレート
まずは、そのまま使える基本形です。{} の中を書き換えて使ってください。
あなたは、社内向け企画書の骨子作成を支援するビジネス文書アシスタントです。
以下の情報をもとに、企画書のたたき台を作ってください。
# 企画の概要
- 企画名: {企画名}
- 企画の目的: {何を達成したいか}
- 背景・課題: {なぜ今この企画が必要か}
- 対象者・利用者: {誰に向けた企画か}
- 提案先・判断者: {誰が承認または判断するか}
- 実施時期: {いつ実施したいか}
- 予算感: {未定の場合は未定と書く}
- 使える人員・体制: {担当者、協力部署、外部委託の有無}
- 制約条件: {納期、予算、社内ルール、避けたいこと}
# 出力してほしい形式
次の見出しで、企画書の骨子を作成してください。
1. 企画概要
2. 背景と課題
3. 目的と期待効果
4. 実施内容
5. 対象者・関係者
6. スケジュール案
7. 必要な費用・工数
8. リスクと対策
9. 判断者が確認すべきポイント
10. 追加で確認すべき不足情報
# 書き方の条件
- 社内説明に使える落ち着いた文体にする
- 根拠が不明な数字や効果を断定しない
- 不足情報は推測で埋めず、「確認が必要」と明記する
- 各項目は箇条書き中心で、あとから編集しやすくする
- 最後に、上司へ相談するときの短い説明文も3行で作る
この形にしておくと、AIは「企画書らしい文章」を書くだけでなく、判断者が気にする項目まで並べやすくなります。
特に大事なのは、提案先・判断者 です。ここが空欄のままだと、AIは誰に向けて説明すればよいか分からず、広報文のような文章や、逆に細かすぎる実行計画を出すことがあります。
入力時に変える部分と固定する部分
毎回変える部分と、なるべく固定した方がよい部分を分けると、出力が安定します。
毎回変える項目
次の項目は、企画ごとに必ず書き換えます。
{企画名}: 仮タイトルでよいので具体的に書く{何を達成したいか}: 売上向上、問い合わせ削減、採用強化などの目的を書く{なぜ今この企画が必要か}: 現在困っていること、期限、外部要因を書く{誰に向けた企画か}: 顧客、社員、採用候補者、既存ユーザーなどを書く{誰が承認または判断するか}: 部長、役員、クライアント、プロジェクト責任者などを書く{制約条件}: 予算上限、納期、使えない手段、社内確認が必要な点を書く
ここが曖昧だと、AIの出力も曖昧になります。たとえば「集客を増やしたい」だけではなく、「既存顧客向けウェビナーで、休眠顧客の再問い合わせを増やしたい」と書く方が、企画書の骨子に必要な材料が出やすくなります。
固定した方がよい条件
一方で、次の条件はテンプレートに残しておくと便利です。
- 根拠不明の数字を断定しない
- 不足情報を明記する
- 箇条書き中心で出す
- 判断者が確認すべきポイントを入れる
- リスクと対策を分ける
企画書では、きれいな文章よりも「まだ決まっていないこと」が見える方が役に立ちます。AIに不足情報を出させることで、会議前に確認すべき項目を拾いやすくなります。
企画の種類別に使い分ける追加プロンプト
基本テンプレートに、用途別の一文を足すと精度が上がります。企画の種類によって、判断されるポイントが違うためです。
| 企画の種類 | 追加するとよい指示 | 期待できる出力 |
|---|---|---|
| 新規施策 | 既存施策との違いと、最初に検証すべき仮説を入れてください。 | 企画の新しさと検証ポイントが見える |
| 業務改善 | 現状の手間、削減できる作業、関係部署への影響を分けてください。 | 現場で動かす時の論点が整理される |
| イベント | 参加者のメリット、集客方法、当日の運営リスクを入れてください。 | 開催前に必要な準備が見える |
| 採用施策 | 候補者に伝える魅力と、社内で準備すべき体制を分けてください。 | 外向きの訴求と社内準備が混ざりにくい |
| 開発・改善要望 | 利用者の課題、実装範囲、優先度判断の材料を入れてください。 | 開発チームに渡しやすい骨子になる |
使うときは、基本テンプレートの最後に次のように足します。
追加条件:
この企画は {企画の種類} に関するものです。
そのため、特に {重視したい観点} が分かるように整理してください。
例として、業務改善ならこう書けます。
追加条件:
この企画は社内の業務改善に関するものです。
そのため、特に現状の手間、削減できる作業、関係部署への影響が分かるように整理してください。
一文を足すだけでも、出力の焦点が変わります。企画書の骨子では、万能な文章を狙うより、判断に必要な材料を絞る方が実務で使いやすくなります。
NG例と改善例
企画書プロンプトでよくある失敗は、AIに「いい感じの企画書」を頼んでしまうことです。
NG例
新しい社内イベントの企画書を作ってください。
分かりやすく、説得力のある内容にしてください。
この指示でも文章は出ます。ただし、判断者、目的、予算、対象者、制約がないため、一般的なイベント案になりやすいです。あとから直す部分が多くなります。
改善例
社内向けの交流イベント企画書の骨子を作ってください。
目的は、部署をまたいだ相談がしやすい状態を作ることです。
対象は入社3年以内の社員と、その上長です。
判断者は人事部長です。
予算は未定ですが、まずは低コストで実施できる案を優先してください。
出力は次の見出しでお願いします。
- 企画概要
- 背景と課題
- 実施内容
- 期待効果
- 必要な準備
- リスクと対策
- 判断者に確認してほしいこと
- 不足情報
根拠のない参加率や効果は断定しないでください。
改善例では、AIが迷いやすい部分を先に埋めています。
- 判断者が人事部長だと分かる
- 対象者が入社3年以内の社員と上長に絞られている
- 低コスト案を優先する条件がある
- 不明な数字を断定しないように止めている
この違いが、出力の使いやすさを左右します。
出力を安定させるコツ
企画書の骨子をAIに作らせるときは、自由に書かせすぎないことが重要です。
1. 出力形式を先に決める
「企画書を作って」だけでは、文章量も構成も毎回変わります。最初から見出しを指定すると、出力を比較しやすくなります。
たとえば、1ページの相談資料にしたいなら、次のように指定します。
出力は、A4 1枚に収まる想定で、各見出し3行以内の箇条書きにしてください。
複数案を比較したい場合は、表形式が向いています。
3つの企画案を比較表で出してください。
列は「案名」「狙い」「対象者」「実施内容」「必要工数」「リスク」「向いている条件」にしてください。
2. AIに不足情報を言わせる
企画の初期段階では、未確定の情報があるのが普通です。AIに無理に埋めさせると、もっともらしい仮定が混ざります。
そのため、テンプレートには次の指示を残しておくと便利です。
不足している情報は推測で補わず、「確認が必要な情報」として最後に一覧化してください。
この一文があると、AIの出力をそのまま信じるのではなく、次に確認すべき項目として使えます。
3. 機密情報と個人情報を入れない
社内企画では、売上、顧客名、人事情報、契約条件などが関係することがあります。AIに入力する前に、社外サービスへ入れてよい情報かを確認してください。
入力時は、次のように置き換えると扱いやすくなります。
- 顧客名:
{大手製造業A社}のように匿名化する - 個人名:
{営業担当者}のように役割で書く - 売上や費用: 必要な場合だけ概算にする
- 契約条件: 詳細ではなく制約の要点だけを書く
AIは企画書の整理には使えますが、社内の情報管理ルールを代わりに判断してくれるわけではありません。
そのまま使える応用パターン
基本テンプレートに少し足すだけで、出力の目的を変えられます。
上司相談用に短くする
上記の企画書骨子を、上司に初回相談するためのメモに変換してください。
次の形式で出してください。
- 相談したいこと
- 企画の狙い
- 現時点の案
- 判断してほしいこと
- まだ未確認のこと
各項目は2行以内にしてください。
長い企画書を書く前に、方向性だけ確認したいときに使えます。
会議アジェンダに変える
この企画を検討する30分会議のアジェンダを作ってください。
参加者は {参加者の役割} です。
議題ごとに、目的、確認すること、必要な資料を整理してください。
企画書の骨子ができたあと、関係者を集める段階で便利です。
リスク確認に寄せる
この企画案について、実施前に確認すべきリスクを洗い出してください。
リスクは「予算」「人員」「スケジュール」「関係部署」「利用者への影響」「法務・規約確認」の観点で整理してください。
各リスクに対して、事前にできる対策も書いてください。
企画の魅力だけでなく、実行時につまずく点を早めに見つけたいときに使います。
ChatGPT、Claude、Geminiで使うときの前提
2026年7月時点では、ChatGPT、Claude、Gemini のような汎用LLMはいずれも、文章作成、要約、整理、比較などに使えます。ただし、サービスごとの画面、利用できるモデル、ファイル添付、社内利用ルールは変わることがあります。
この記事のテンプレートは、特定サービスだけに依存しない書き方にしています。公式のプロンプトガイドでも、目的、文脈、制約、出力形式を明確にする考え方は共通して重視されています。
使うときは、次のように考えると迷いにくくなります。
- ChatGPT: 企画書の構成案、言い換え、複数案の比較に使いやすい
- Claude: 長めの背景情報を渡して、論点整理や文書化をしたいときに使いやすい
- Gemini: Google Workspace まわりの情報整理や、調査メモからの要約に使う場面で検討しやすい
ただし、どのツールでも最終確認は必要です。AIが作った骨子は、社内ルール、最新の数字、関係者の合意、法務・情報管理の観点で見直してから使ってください。
最後に確認するチェックリスト
企画書の骨子が出たら、すぐ提出する前に次を確認します。
- 目的が一文で説明できるか
- 判断者が誰か明記されているか
- 対象者や利用者が具体的か
- 実施内容が抽象的なスローガンで止まっていないか
- 費用、工数、スケジュールの未確定部分が見えているか
- リスクと対策が分かれているか
- 根拠のない効果や数字を断定していないか
- 機密情報や個人情報を不用意に入力していないか
企画書作成でAIを使う価値は、きれいな文章を一発で作ることではありません。判断に必要な材料を早く並べ、足りない情報を見つけることです。
次に見るべきなのは、AIが出した企画案の中身そのものよりも、「誰が何を決めれば前に進むのか」です。そこが曖昧なままなら、プロンプトに判断者、制約、未確認事項を足して、もう一度出力させる方が実務では役に立ちます。
