会議アジェンダをAIで作るプロンプトテンプレート 目的・論点・時間配分まで整える書き方
会議のアジェンダ作成でAIを使うなら、単に「会議の議題を作って」と頼むより、会議の目的、参加者、決めたいこと、時間、事前共有したい情報をまとめて渡す方が安定します。
この記事では、ChatGPT、Claude、Gemini などの汎用的な生成AIで使える、会議アジェンダ作成用のプロンプトテンプレートを紹介します。対象は、定例会、打ち合わせ、プロジェクト会議、1on1、採用面談前のすり合わせなどで、会議の流れを短時間で整えたい人です。
- 使いどころ: 会議前に目的、議題、時間配分、確認事項を整理する
- 向いている人: 会議の準備を効率化したい初心者から中級者
- 出力形式: 箇条書き、表、事前共有メモ、確認チェックリスト
- 注意点: AIの案はたたき台として使い、機密情報や個人情報は入力しない
ここがポイント: 会議アジェンダは「話すこと一覧」ではなく、「何を決めるために、誰が、何分で、どの順に話すか」をそろえるための設計図です。
用途と完成イメージ
このテンプレートは、会議の目的がぼんやりしている状態から、参加者が動きやすいアジェンダに整えるために使います。
たとえば、次のような場面で役立ちます。
- 30分の定例会で、報告だけで終わらせたくない
- プロジェクト会議で、決定事項と持ち帰り事項を分けたい
- 初回打ち合わせで、相手に聞くべきことを漏らしたくない
- 採用、開発、営業、法務など、複数部門が参加する会議の順番を整理したい
- 会議後の議事録やタスク化につながる形で準備したい
完成イメージは、次のようなアジェンダです。
- 会議の目的が1文で分かる
- 議題ごとに所要時間がある
- 各議題で「共有」「相談」「決定」のどれをするかが明確
- 事前に読んでおく資料や確認事項が分かる
- 最後に決定事項、担当者、期限を確認する時間がある
会議の質を左右するのは、議題の数よりも順番です。報告を先に詰め込みすぎると、肝心の判断に使う時間がなくなります。AIには、議題を並べるだけでなく、時間配分と到達点まで指定して作らせるのがコツです。
コピペ用プロンプトテンプレート
まずは、そのまま使える基本テンプレートです。{} の中を自分の会議内容に置き換えてください。
あなたは会議設計が得意な業務アシスタントです。
以下の情報をもとに、会議アジェンダを作成してください。
# 会議情報
- 会議名: {会議名}
- 会議の目的: {この会議で達成したいこと}
- 会議時間: {例: 30分 / 60分}
- 参加者: {参加者の役割や人数}
- 会議形式: {オンライン / 対面 / ハイブリッド}
- 決めたいこと: {会議中に決定したい項目}
- 相談したいこと: {意見をもらいたい項目}
- 共有したい情報: {事前に共有しておきたい背景や資料}
- 参加者に依頼したい準備: {事前確認、資料確認、数値確認など}
# 出力形式
次の形式で出力してください。
1. 会議の目的を1文で要約
2. アジェンダを表形式で作成
- 時間
- 議題
- 目的
- 進行担当
- 期待する結果
3. 事前共有すべき情報
4. 会議中に確認すべき質問
5. 会議後に残すべき決定事項・TODOの欄
# 制約
- 会議時間内に収まるようにしてください
- 報告だけでなく、判断や合意に使う時間を確保してください
- 不明な点は勝手に補完せず、「要確認」と明記してください
- 機密情報や個人情報は含めず、一般化した表現にしてください
このプロンプトの狙いは、AIに「会議の流れ」まで考えさせることです。単なる議題一覧ではなく、議題ごとの目的と期待する結果を出させるため、会議前の共有にも使いやすくなります。
入力時に変える部分と固定したい条件
会議アジェンダの出力を安定させるには、毎回変える項目と、毎回固定しておく項目を分けると扱いやすくなります。
毎回変える項目
次の項目は、会議ごとに必ず入れ替えます。
{会議名}: 何の会議か。例: 新機能リリース前確認会、月次営業定例{この会議で達成したいこと}: 報告、相談、決定のどれが中心か{会議時間}: 30分、45分、60分など{参加者の役割や人数}: 営業2名、開発1名、法務1名など{決めたいこと}: 承認、優先順位、担当者、期限など{共有したい情報}: 背景、前回決定事項、現状の課題など
特に大事なのは、会議の目的です。「進捗確認」だけでは広すぎます。たとえば「遅れているタスクを確認し、今週中にリカバリー方針を決める」と書くと、AIは判断に必要な議題を組み込みやすくなります。
固定した方がよい条件
一方で、次の条件はテンプレート内に残しておくと出力が安定します。
- 会議時間内に収める
- 決定や合意の時間を確保する
- 不明点は「要確認」と書かせる
- 事前共有、会議中の質問、会議後TODOを分ける
- 機密情報や個人情報を含めない
この固定条件がないと、AIは見栄えのよいアジェンダを作っても、実際の会議で使いにくい順番にすることがあります。会議の最後に確認するべき担当者や期限が抜けることもあります。
目的別に使える追加プロンプト
基本テンプレートに、目的別の追加指示を足すと、より実務に合った出力になります。
定例会向け
定例会では、報告を短くし、判断が必要な項目を前に出すのがポイントです。
上記の会議情報をもとに、定例会向けのアジェンダにしてください。
追加条件:
- 共有事項は短くまとめる
- 判断が必要な議題を前半に配置する
- 参加者全員に確認したい質問を3つ出す
- 次回会議までのTODO欄を作る
期待できる出力は、報告中心ではなく、決定中心の定例会アジェンダです。時間が短い会議ほど、この指定が効きます。
プロジェクト会議向け
プロジェクト会議では、課題、判断、担当者を分けると会議後に動きやすくなります。
プロジェクト会議向けに、以下を重視してアジェンダを作成してください。
- 現在の進捗確認
- 遅延やリスクの確認
- 今日決めるべき判断事項
- 担当者と期限の確認
- 会議後に残すTODO
出力は「議題」「確認すること」「決めること」「担当候補」「所要時間」の列で整理してください。
この形式は、会議後のタスク整理にもつなげやすい形です。議事録を書く人がいる場合も、確認すべき欄が最初から分かります。
初回打ち合わせ向け
初回打ち合わせでは、相手の状況を聞く時間を十分に取る必要があります。
初回打ち合わせ向けのアジェンダを作成してください。
重視すること:
- 冒頭で会議の目的を共有する
- 相手の現状、課題、期待を確認する
- こちらからの説明は短くする
- 次回までに必要な情報を確認する
- 押し売りに見えない自然な流れにする
最後に、相手に質問する項目を5つ挙げてください。
相手の課題を聞く会議では、こちらの説明を長くしすぎないことが大切です。AIにもその条件を入れておくと、聞き取り中心の流れになります。
NG例と改善例
会議アジェンダ作成で失敗しやすいのは、AIへの依頼が短すぎるケースです。
NG例
明日の会議アジェンダを作ってください。
この指示では、AIは会議の目的、参加者、時間、決めたいことを判断できません。一般的な会議の流れは出せますが、実際に使うには大幅な手直しが必要になります。
改善例
30分のオンライン会議用に、会議アジェンダを作成してください。
目的は、新機能リリース前に未決事項を整理し、リリース可否の判断材料をそろえることです。
参加者は、開発担当、営業担当、サポート担当、進行役の4名です。
決めたいことは、リリース日、顧客への案内方法、リリース前に残っている確認事項です。
出力は、時間配分つきの表と、会議前に参加者へ共有する確認事項に分けてください。
不明点は「要確認」と書いてください。
改善例では、AIが判断に使える材料が増えています。特に、会議時間と決めたいことが入っているため、アジェンダの優先順位がつけやすくなります。
変えたポイントは次の4つです。
- 会議時間を指定した
- 参加者の役割を示した
- 決めたいことを明記した
- 出力形式を指定した
短い指示で済ませたい場合でも、最低限「目的」「時間」「参加者」「決めたいこと」だけは入れると、実務で使える精度に近づきます。
出力を安定させるコツ
会議アジェンダは、AIの文章力よりも入力情報の整理で差が出ます。ここでは、出力を安定させるための実務的な指定をまとめます。
出力形式を先に決める
アジェンダは、文章だけで出すより表にした方が使いやすい場面が多いです。
おすすめの列は次の5つです。
- 時間
- 議題
- 目的
- 進行担当
- 期待する結果
会議後のタスク管理まで考えるなら、次の列を追加します。
- 決定事項
- TODO
- 担当者
- 期限
表が長くなりすぎる場合は、会議前と会議後で分けると読みやすくなります。WordPressや社内Wikiに貼るなら、最初は箇条書きで出させ、必要な部分だけ表に直す方法もあります。
「決める」「共有する」「相談する」を分ける
会議が長引く原因の一つは、議題の目的が混ざることです。
AIには、各議題に次のラベルを付けさせると整理しやすくなります。
- 共有: 状況をそろえる
- 相談: 意見や懸念を集める
- 決定: 期限、担当、方針を決める
この3つを分けるだけで、会議中に「これは今決める話か、情報共有だけか」を確認しやすくなります。
不明点を補完させすぎない
AIは、足りない情報を自然に補ってしまうことがあります。便利な反面、実際には決まっていない担当者や期限が、もっともらしく出てくる可能性があります。
そのため、プロンプトには次の一文を入れておくのがおすすめです。
不明な情報は推測せず、「要確認」と明記してください。
OpenAI、Anthropic、Google の公式ガイドでも、目的、背景、出力形式、制約を具体的に伝えることが、期待する出力に近づける基本として説明されています。会議アジェンダ作成でも同じで、AIに任せる範囲と、人が確認する範囲を分けることが重要です。
活用例と応用パターン
会議アジェンダ用プロンプトは、少し書き換えるだけで別の業務にも使えます。
メールで送る事前案内に変える
アジェンダを作ったあと、参加者向けの案内文に変換できます。
作成した会議アジェンダをもとに、参加者へ送る事前案内メールを作成してください。
条件:
- 件名を1案つける
- 本文は簡潔にする
- 会議の目的、日時、準備してほしいことを含める
- 丁寧だが堅すぎない文面にする
この使い方は、会議準備と連絡文作成をまとめて進めたいときに便利です。
議事録テンプレートに変える
会議前のアジェンダを、会議後の記録用テンプレートにできます。
上記のアジェンダをもとに、議事録テンプレートを作成してください。
含める項目:
- 会議名
- 日時
- 参加者
- 議題ごとの決定事項
- 未決事項
- TODO
- 担当者
- 期限
アジェンダと議事録の項目をそろえておくと、会議中に記録すべきことが明確になります。
1on1や面談用に変える
1on1では、進行役が話しすぎない流れにする必要があります。
以下の情報をもとに、1on1ミーティング用のアジェンダを作成してください。
- 目的: {例: 最近の業務状況と困りごとの確認}
- 時間: {例: 30分}
- 相手の役割: {例: 新任メンバー / 中堅社員 / プロジェクト担当者}
- 確認したいこと: {例: 業務量、困っている点、今後挑戦したいこと}
条件:
- 相手が話す時間を多めにする
- 質問は詰問に見えない表現にする
- 最後に次回までの小さなアクションを確認する
面談や1on1では、議題を詰め込みすぎると相手が話しにくくなります。AIには「相手が話す時間を多めにする」と明記しておくと、会話の流れを作りやすくなります。
最後に確認したいチェックリスト
AIが作った会議アジェンダは、そのまま使う前に人が確認します。特に、参加者、時間、決定事項に関わる部分は見直しが必要です。
- 会議の目的は1文で説明できるか
- 決めたいことが明確になっているか
- 報告だけで時間を使い切らないか
- 各議題の所要時間は現実的か
- 参加者の役割に合わない議題が入っていないか
- 事前共有すべき資料や情報が分かるか
- 最後に決定事項、担当者、期限を確認する時間があるか
- 機密情報や個人情報をAIに入力していないか
会議アジェンダ作成でAIを使う価値は、きれいな議題名を作ることではありません。会議前に「何を決める場なのか」を言語化し、限られた時間の中で話す順番を整えることにあります。
次に試すなら、まずは30分の定例会を1つ選び、目的、参加者、決めたいことだけを入れてアジェンダを作ってみてください。出力を見て、判断の時間が足りないと感じたら、プロンプトに「決定事項を前半に置く」と追加する。それだけでも、会議の準備はかなり具体的になります。
