ChatGPTで議事録を自動生成するプロンプトテンプレ
会議の録音や文字起こしをそのままChatGPTに渡すだけでは、発言の抜け、決定事項の混在、担当者の曖昧さが残りやすくなります。議事録として使うなら、最初に「何を拾うか」「どの形式で出すか」「不明点をどう扱うか」を指定するのが近道です。
この記事では、会議の文字起こしから議事録を作るためのコピペ用プロンプトを紹介します。対象は、社内会議、顧客打ち合わせ、定例ミーティングのメモを短時間で整えたい人です。
- 用途: 文字起こしや会議メモから議事録を作る
- 入力: 会議情報、参加者、文字起こし、補足メモ
- 出力: 要約、決定事項、TODO、論点、次回確認事項
- 前提: ChatGPTの出力は確認が必要。重要な数値、日付、担当者は原文と照合する
ここがポイント: 議事録プロンプトでは「きれいにまとめて」では足りません。決定事項、未決事項、担当者、期限を分けて出すように指定すると、あとで仕事に使える形になります。
どんな場面で使えるか
このテンプレートは、会議後に残った長い文字起こしを、共有しやすい議事録に変えるためのものです。
たとえば、次のような場面で使えます。
- Zoom、Google Meet、Microsoft Teamsなどの文字起こしを整理する
- 手元のラフな会議メモを正式な共有文に直す
- 営業商談の内容から次のアクションを抜き出す
- プロジェクト定例の決定事項と未決事項を分ける
- 上司やチームに送る短い会議サマリーを作る
ChatGPTには、音声を直接扱う機能やファイルアップロード機能もあります。ただし利用できる範囲や条件はプラン、アプリ、時期で変わります。OpenAIのヘルプでは、ChatGPT Recordは会議や音声メモの録音、文字起こし、要約に使える機能として案内されていますが、執筆時点では対象プランやmacOSデスクトップアプリなどの条件があります。この記事のテンプレートは、機能差に左右されにくいように、文字起こしテキストを貼り付けて使う形にしています。
コピペ用プロンプトテンプレート
以下をそのまま貼り付け、{} の中を自分の会議内容に置き換えてください。文字起こしが長い場合は、先に前半、後半などに分けて処理し、最後に統合版を作ると安定します。
あなたは業務会議の議事録作成を担当するアシスタントです。
以下の会議情報と文字起こしをもとに、共有用の議事録を作成してください。
# 会議情報
- 会議名: {会議名}
- 日時: {YYYY年MM月DD日 HH:MM-HH:MM}
- 参加者: {参加者名と役割}
- 会議の目的: {会議の目的}
- 読み手: {上司 / チームメンバー / 顧客 / 関係部署}
# 出力形式
次の順番でMarkdown形式にしてください。
1. 会議の要約(3〜5行)
2. 決定事項
3. TODO(担当者、期限、内容を表で整理)
4. 主な議論の流れ
5. 未決事項・確認が必要な点
6. 次回会議で扱うべき項目
# 作成ルール
- 事実として文字起こしにある内容だけを使う
- 担当者や期限が不明な場合は「未確認」と書く
- 発言者名が分かる場合は、重要な発言だけ発言者名を添える
- 雑談、相づち、重複表現は省く
- 決定事項とTODOを混ぜない
- 読み手がすぐ行動できるように、TODOは具体的な動詞で書く
- 不明点を推測で補わない
# 文字起こし・会議メモ
{ここに文字起こしまたは会議メモを貼り付ける}
このテンプレートの狙いは、議事録を「読み物」ではなく「次に動くための記録」にすることです。特にTODOの欄に担当者、期限、内容を入れる指定は重要です。ここが曖昧だと、会議後に「誰がやるのか」をもう一度確認する手間が残ります。
入力時に変える部分
毎回変える場所と、なるべく固定したい条件を分けておくと、議事録の品質が安定します。
毎回変える項目
{会議名}: 「4月第3週 マーケ定例」「A社提案前確認」など具体名にする{日時}: 会議日だけでなく開始、終了時刻も入れる{参加者名と役割}: 氏名だけでなく「営業」「開発」「顧客担当」など役割も入れる{会議の目的}: 「新機能の仕様を決める」「次回提案の論点を整理する」など、会議のゴールを書く{読み手}: 社内向けか顧客向けかで表現が変わるため必ず入れる{文字起こしまたは会議メモ}: なるべく時系列のまま貼る
固定した方がよい条件
議事録作成では、毎回変えないルールを決めておくと便利です。
- 「推測で補わない」
- 「担当者や期限が不明なら未確認と書く」
- 「決定事項とTODOを分ける」
- 「雑談と重複表現は省く」
- 「Markdownで出す」
OpenAIのプロンプトガイドでも、指示の境界をMarkdownの見出しやリストで分ける方法が紹介されています。会議情報、出力形式、作成ルール、文字起こしを分けて書くと、ChatGPTがどこを参照すべきか判断しやすくなります。
NG例と改善例
議事録プロンプトで失敗しやすいのは、依頼が短すぎるケースです。短い指示でも要約は出ますが、仕事で使うには確認項目が残りがちです。
NG例
以下の文字起こしを議事録にしてください。
{文字起こし}
この書き方だと、ChatGPTは「議事録」の意味を広く解釈します。要約だけになることもあれば、発言録に近くなることもあります。担当者、期限、未決事項を分けてほしい場合は、その形式まで指定する必要があります。
改善例
以下の文字起こしから、社内共有用の議事録を作成してください。
出力は「要約」「決定事項」「TODO」「未決事項」「次回確認事項」に分けてください。
TODOは、担当者、期限、作業内容の3列で整理してください。
担当者や期限が文字起こしにない場合は「未確認」と書き、推測で補わないでください。
{文字起こし}
改善例では、出力形式と不明点の扱いを先に決めています。これだけで、あとから人間が確認すべき場所が見えやすくなります。
出力を安定させるコツ
議事録は、少しの曖昧さがそのまま仕事のズレになります。プロンプトでは、見た目の整形よりも「判断のルール」を先に固定しましょう。
1. 決定事項とTODOを分ける
決定事項は「会議で決まったこと」です。TODOは「誰かがこれから行うこと」です。
混ぜると、読み手は「これは合意済みなのか」「これから誰かが確認するのか」を判断し直さなければなりません。プロンプト内で分けるように指定してください。
2. 不明点は未確認と書かせる
ChatGPTは自然な文章を作るのが得意ですが、足りない情報をそれらしく埋めてしまうことがあります。議事録ではこれは危険です。
次の一文を入れておくと、確認すべき箇所が残ります。
担当者、期限、数値、合意内容が文字起こしから判断できない場合は、推測せず「未確認」と書いてください。
3. 読み手を指定する
同じ会議でも、社内メンバー向けと顧客向けでは書き方が変わります。
- 社内向け: TODO、リスク、担当者を具体的に出す
- 顧客向け: 決定事項、次回までの確認事項、双方の対応範囲を丁寧に書く
- 上司向け: 3〜5行の要約と重要な判断材料を先に出す
読み手を入れるだけで、必要な粒度がそろいやすくなります。
4. 長い文字起こしは分割する
長時間の会議では、文字起こしを一度に貼ると重要部分が薄まることがあります。その場合は次の順番で処理します。
- 前半、後半などに分けて要約する
- 各パートから決定事項とTODOを抜き出す
- 最後に全体を統合し、重複を削る
分割した場合は、最後に「前半と後半の内容を統合し、重複を削除してください」と追加します。
出力形式を変えたいときの追加指定
基本テンプレートはMarkdown形式ですが、用途に応じて出力形式を変えると、そのまま別ツールに貼り付けやすくなります。
表形式でTODOを出す
TODOは次の列を持つMarkdown表にしてください。
- No.
- 担当者
- 期限
- 作業内容
- 関連する決定事項
- ステータス
顧客送信用に整える
顧客に送るメール本文として使えるように、丁寧語で整えてください。
ただし、社内の検討中事項や内部都合は含めず、共有してよい決定事項と次回までの確認事項だけを書いてください。
JSONで出す
出力は次のJSON形式にしてください。
キーは summary, decisions, todos, open_questions, next_agenda を使ってください。
todos は assignee, due_date, task, source_note を持つ配列にしてください。
不明な値は null にしてください。
JSON指定は、後でNotion、スプレッドシート、タスク管理ツールに取り込む前処理として使えます。ただし、貼り付け先が決まっていないなら、最初はMarkdownの方が読みやすく、修正もしやすいです。
活用例
このテンプレートは、会議の種類に合わせて少し変えるだけで使い回せます。
社内定例会議
定例会議では、前回からの進捗、今回の決定、次回までの作業を分けると読みやすくなります。
追加指定例:
前回からの進捗、今回の決定事項、次回までのTODOを分けてください。
進捗が止まっている項目は「停滞理由」と「次の確認先」を書いてください。
顧客打ち合わせ
顧客打ち合わせでは、言い切ってよい合意事項と、社内確認が必要な事項を分けることが大切です。
追加指定例:
顧客と合意した内容、当社側で持ち帰る内容、顧客側に確認をお願いする内容を分けてください。
顧客に送付できる表現に整えてください。
1on1や面談メモ
1on1では、個人情報やセンシティブな内容が含まれることがあります。共有範囲を先に決め、必要以上に詳細を書かせないようにします。
追加指定例:
本人と上長が次回確認するためのメモとして整理してください。
個人的な事情の詳細は必要以上に書かず、合意した支援内容、次回までの行動、確認日を中心にまとめてください。
仕上げ前のチェックリスト
ChatGPTが作った議事録は、そのまま送る前に人間が確認します。特に会議の記録は、後から「言った」「言っていない」の根拠になることがあります。
- 決定事項は本当に会議で合意された内容か
- TODOに担当者と期限が入っているか
- 不明な箇所が勝手に補われていないか
- 顧客や他部署に出してよい表現になっているか
- 数値、日付、金額、固有名詞に誤りがないか
- 文字起こしの聞き間違いが重要部分に残っていないか
OpenAIのChatGPT Recordのヘルプでも、文字起こしを含む出力には誤りがあり得るため重要情報の確認が必要だと案内されています。議事録では、便利さと確認作業をセットにするのが実務向きです。
まとめ
議事録生成で大事なのは、ChatGPTに「まとめて」と頼むことではなく、会議後に必要な情報を先に分けて指定することです。
まずは次の3点を固定してください。
- 出力は「要約、決定事項、TODO、未決事項」に分ける
- 担当者、期限、数値が不明な場合は「未確認」と書かせる
- 読み手と共有範囲を指定する
この3つが入っていれば、会議後の確認、共有、タスク化がかなり進めやすくなります。次に調整するなら、TODOを表にするか、顧客送信用の文面にするか、JSONで管理ツールに渡すかを決めるところから始めると実務に乗せやすいです。
