MENU

営業トークを「質問・提案・次の約束」に分けるAIプロンプト|商談台本の実務テンプレート

営業担当者と顧客が会話形式の商談台本を確認している様子。

営業トークを「質問・提案・次の約束」に分けるAIプロンプト|商談台本の実務テンプレート

営業トークの台本をAIに作らせるなら、商品説明を長く書かせるのではなく、顧客への質問、回答に応じた提案、商談後の次の約束まで指定するのがコツです。

この記事では、初回商談やオンライン商談の準備を効率化したい営業担当者向けに、汎用LLMで使えるプロンプトを紹介します。出力は、一方的な読み上げ原稿ではなく、顧客の反応に合わせて進められる会話形式です。

この記事で分かることは次のとおりです。

  • コピペして使える営業トーク作成プロンプト
  • 入力時に書き換える項目と、固定したい制約
  • 曖昧な指示で起こる失敗と改善方法
  • 初回商談、電話、オンライン商談への応用方法
目次

このプロンプトで作るのは「読み上げ原稿」ではない

完成イメージは、営業担当者が顧客の回答を聞きながら分岐を選べる商談ガイドです。

AIに「営業トークを作って」とだけ頼むと、商品の長所を並べた長い説明文になりがちです。しかし、実際の商談では顧客の状況を聞かずに提案内容を決められません。

そこで、台本を次の流れに分けます。

  1. 挨拶と商談目的の確認
  2. 現状を把握する質問
  3. 課題の深掘り
  4. 回答に基づく提案
  5. よくある懸念への応答
  6. 次回までの行動確認

たとえば、顧客が「作業時間を減らしたい」と答えた場合と、「ミスを減らしたい」と答えた場合では、強調すべき利点が異なります。AIには、両方の回答に同じ説明を返すのではなく、回答別の分岐を作らせます。

ここがポイント: 営業トークの品質は、巧みな決め文句よりも「何を聞き、回答をどう提案につなげるか」で決まります。

コピペ用:営業トークスクリプト作成プロンプト

次のテンプレートは、初回商談用の台本を作る基本形です。{}で囲んだ部分を、自社の商品や商談条件に合わせて書き換えてください。

あなたは、顧客の状況を丁寧に確認してから提案する法人営業の支援者です。
以下の情報をもとに、初回商談で使う会話形式の営業トークスクリプトを作成してください。

# 商談情報
- 商品・サービス名:{商品名}
- 商品の概要:{何を解決する商品か}
- 主な機能:{機能を3つまで}
- 想定顧客:{業種・企業規模・担当者の役職}
- 顧客について分かっていること:{公開情報や事前ヒアリング内容}
- 想定される課題:{顧客が困っている可能性があること}
- 導入によって期待できる変化:{時間短縮・負担軽減など、根拠を説明できる内容}
- 価格・契約条件:{開示してよい範囲}
- 商談時間:{例:30分}
- 今回のゴール:{例:課題を確認し、次回のデモ日程を決める}
- 話し方:{例:簡潔、丁寧、押しつけない}

# 作成ルール
1. 冒頭で、挨拶、所要時間、商談目的を確認する。
2. 商品説明の前に、顧客の現状、困りごと、優先順位を聞く。
3. 質問は一度に1つとし、答えやすい表現にする。
4. 各質問について「質問の狙い」を併記する。
5. 顧客の回答がAの場合とBの場合で、その後の話し方を分岐させる。
6. 提案は、顧客の回答と商品の機能を結び付けて説明する。
7. 根拠のない効果、未入力の実績、競合他社への断定的な評価を作らない。
8. 情報が不足する箇所は推測で埋めず、[要確認]と表示する。
9. 最後に、顧客側と営業側の次の行動、担当者、期限を確認する。

# 出力形式
以下の順番で出力してください。

## 商談の進行表
各段階について、目安時間、目的、完了条件を箇条書きで示す。

## 会話スクリプト
各発言を次の形式で示す。
- 営業担当者の発言
- 質問の狙い
- 想定される顧客の回答
- 回答Aへの返し
- 回答Bへの返し
- 次の話題へのつなぎ方

## 想定される懸念への応答
「価格」「導入の手間」「社内承認」「既存手段との違い」について、確認質問と回答例を示す。
不明な条件は断定せず、持ち帰って確認する言い方にする。

## 商談終了時の確認
次回の行動、担当者、期限を確認する短い会話例を示す。

## 要確認事項
台本を実際に使う前に、人が確認すべき事実を列挙する。

このテンプレートは、ChatGPT、Claude、Geminiなどの対話型AIで使えるよう、特定モデルの機能に依存しない形にしています。サービスごとに出力の傾向は変わるため、最終的な発言内容は自社の事実や営業方針と照合してください。

入力時に変える部分と固定する条件

毎回変えるのは商談情報、固定するのは誇張防止と出力構造です。 この切り分けをすると、担当者や案件が変わっても品質をそろえやすくなります。

案件ごとに書き換える項目

特に重要なのは次の6項目です。

  • {想定顧客}:業種だけでなく、担当者の役職や関心事まで書く
  • {顧客について分かっていること}:確認済みの情報と仮説を分ける
  • {想定される課題}:自社が売りたい機能ではなく、顧客側の業務を書く
  • {期待できる変化}:根拠のある効果だけを書く
  • {商談時間}:質問数と説明量を決める基準にする
  • {今回のゴール}:「契約を取る」ではなく、商談内で合意できる次の行動を書く

顧客情報がほとんどない場合は、空欄をAIに推測させず、「不明」と入力します。そのうえで、商談中に確認すべき質問へ変換させる方が安全です。

固定した方がよい条件

次のルールは、案件が変わっても残します。

  • 未入力の導入実績や数値を作らない
  • 顧客の回答前に課題を決めつけない
  • 競合製品を根拠なく否定しない
  • 分からない条件には [要確認] を付ける
  • 最後に担当者、行動、期限を確認する

Googleの公式プロンプト設計ガイドでも、明確で具体的な指示、必要な背景情報、希望する出力形式を与える方法が示されています。営業台本では、この基本を「顧客情報」「禁止事項」「会話の分岐」に落とし込むと実務で扱いやすくなります。

NG例と改善例

失敗の主因は、AIに目的と判断材料を渡さず、完成文だけを求めることです。

NG例:商品名しか伝えていない

勤怠管理システムの営業トークを作ってください。
説得力のある内容にしてください。

この指示では、AIは顧客の規模、現在の管理方法、困りごと、商談のゴールを判断できません。「業務を効率化できます」といった、どの顧客にも当てはまる説明に寄りやすくなります。

また、「説得力」の意味も曖昧です。数字を増やすことなのか、導入手順を具体化することなのか、顧客の懸念に答えることなのかが分かりません。

改善例:顧客の回答で分岐させる

従業員100〜300人の企業で、勤怠管理を担当する人事責任者との初回商談です。
現在の管理方法は不明です。

最初に、現在の記録方法、締め作業にかかる時間、修正が多い工程を順番に確認してください。
顧客が「Excelで集計している」と答えた場合と、「既存システムを使っている」と答えた場合で、次の質問を分けてください。

商品説明は、顧客が挙げた課題に関係する機能だけに絞ってください。
確認できていない削減率や導入実績は作らず、必要な箇所には[要確認]と表示してください。

出力は、営業担当者の発言、質問の狙い、顧客の想定回答、回答別の返しを含む会話形式にしてください。

改善したのは、主に次の点です。

  • 顧客像を「人事責任者」まで具体化した
  • 不明な情報を明示した
  • 最初に聞く内容と順番を指定した
  • 顧客の回答による分岐を指定した
  • 作ってはいけない情報を定義した
  • 会話形式という出力構造を決めた

出力を安定させる3つのコツ

形式、制約、確認手順を分けて指示すると、台本の抜けを発見しやすくなります。

1. 発言と意図を別々に出す

営業担当者のセリフだけでは、その質問が必要な理由を判断しにくくなります。「発言」と「質問の狙い」を分けて出力させましょう。

各質問について、次の4項目を必ず出力してください。
- 営業担当者の発言
- 質問の狙い
- 回答から判断できること
- 次の質問へ進む条件

これにより、不要な質問を削りやすくなり、新しい担当者への引き継ぎ資料としても使いやすくなります。

2. 禁止事項を具体的に書く

「誇張しないでください」だけでは、何が誇張に当たるか曖昧です。避けたい出力を具体化します。

次の内容は作成しないでください。
- 入力にない顧客の社内事情
- 確認できない売上増加率や工数削減率
- 実在するように見える架空の導入事例
- 法令への適合を保証する表現
- 競合製品が劣っていると断定する表現

3. 生成後の検査もAIに依頼する

台本を出した直後に、同じ回答内で検査させます。ただし、AIの検査だけで公開・使用可能と判断せず、商品責任者や営業担当者が事実を確認してください。

作成後、次の観点で台本を点検してください。
- 顧客の回答を待たずに課題を決めつけていないか
- 商品説明が長すぎないか
- 各提案が顧客の発言と結び付いているか
- 未確認の数値や事例が含まれていないか
- 次の行動、担当者、期限が明確か

問題があれば「該当箇所」「問題」「修正案」の順で示してください。

明確な指示に加えて例や出力パターンを与える方法は、Googleの公式ガイドでも紹介されています。希望する形式が崩れる場合は、完成例を1件だけ添え、同じ構造で出力するよう指定すると調整しやすくなります。

商談形式別の応用パターン

基本テンプレートは保ったまま、時間とゴールだけを変えると別の営業場面へ応用できます。

電話でアポイントを取る場合

電話では商品説明を詰め込まず、相手が話を聞ける状態かを最初に確認します。

追加する指示は次のとおりです。

これは3分以内の電話です。
冒頭で、今話せるかを確認してください。
質問は最大2つ、商品説明は最大3文にしてください。
ゴールは契約ではなく、課題を詳しく聞くための20分の面談日程を決めることです。
断られた場合は理由を一度だけ確認し、再度の勧誘を望まない意思が示されたら丁寧に終了してください。

オンライン商談の場合

画面共有を挟む場合は、説明する画面と確認質問を対にします。

30分のオンライン商談として作成してください。
デモは10分以内にし、各画面について次を示してください。
- 見せる機能
- 顧客のどの発言に対応するか
- 説明後に確認する質問
- 関心が低い場合に省略する条件

既存顧客への追加提案の場合

新規商談と違い、既存の利用状況を確かめる工程が中心です。

既存顧客への追加提案です。
現在の契約内容、利用頻度、利用部門、未利用機能、問い合わせ履歴を入力情報として扱ってください。
最初に現契約への満足度と未解決の課題を確認し、追加契約を前提に話を進めないでください。
提案しない方がよい条件も示してください。

ここで見落としやすいのは、提案しない分岐です。顧客の課題と商品が合わない、導入時期が早すぎる、必要な前提条件が整っていない場合に、無理にクロージングしない台本も用意しておきます。

実際に使う前のチェックリスト

生成された営業トークは、次の項目を確認してから使います。

  • [ ] 商品名、機能、料金、契約条件は最新か
  • [ ] 効果を示す数値に社内で確認できる根拠があるか
  • [ ] 顧客の公開情報と、営業側の仮説が区別されているか
  • [ ] 顧客が答える前に課題を決めつけていないか
  • [ ] 質問は一度に1つになっているか
  • [ ] 顧客の回答によって提案内容が変わるか
  • [ ] 不明点に [要確認] が付いているか
  • [ ] 競合や顧客を不当に評価する表現がないか
  • [ ] 個人情報や社外秘情報を、利用条件を確認せずAIへ入力していないか
  • [ ] 商談後の行動、担当者、期限を確認できるか

最初に改善すべき箇所は、流麗な言い回しではありません。顧客の回答によって次の質問や提案が本当に変わるかを確認してください。分岐が変わらないなら、その台本はまだ商品説明文のままです。

次の商談に向けて、まずは「顧客について確認済みの事実」「まだ分からないこと」「今回合意したい次の行動」の3点を埋め、基本テンプレートを実行してみましょう。

参照リンク

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次